新年ご挨拶

富士吉田市 川村一樹氏撮影

皆様にはお健やかに新年を迎へら心より嬉しく存じています。今もなお新型コロナウィルス感染症は完全収束を見ず多くの方々が厳しい環境の中で生活を送られています。医療従事者の皆様の献身に感謝を捧げ、さらに飲食業、観光・サービス業、製造業など様々な職域にてご苦労されている皆様に一日も早く穏やかな日常が訪れることを願っています。本年の干支は壬寅です。前回は61年前の1962年。世界ではキューバ危機、中印国境紛争、ビートルズのレコードデビューなど、日本では首都高速道路初区間の供用開始、リニアモーターカーの研究開始、キューピー3分クッキング放送開始、北島三郎さんのデビュー等を思い起こします。さて本年はどんな1年になるでしょうか。本教では昨年の御開祖様ご生誕480年、中興元祖食行様ご生誕350年さらに富士山元祠が10月14日付で国の登録有形文化財へ登録されるなど数々の喜びの年でした。そして本年は元亀3年6月3日に御開祖様が富士山頂に立たれ富士道を開かれて450年、さらに神道扶桑教が明治15年勅裁特立を受けて140年の佳節を迎えます。皆様はじめ先人先達の方々が富士信仰の伝統と文化を大切に護り伝えてくださったお蔭と心より感謝しています。
私たちの人生は長くて100年の物差・定規(スケール)で測れるものですが伝統・文化・信仰は500年1000年の物差でないと本質は測れません。私達は長い物差で培われた知恵と思いを次世代に伝えていく使命があります。それはこの地球上で人が人としていかに生きてきたか、山川草木・獣・鳥・家畜・魚・虫・細菌等をも含め共に如何に共存してきたかを問い直す時期です。例えば100年間の自分自身の人生で権力を振り翳し他人より物量が満たされていることが本当の幸福なのでしょうか。自身の肉体が消えて後を想像することができないほど私たちは愚かになってしまったのでしょうか。現在も重要ですが、未来への責任も大切です。皆様には想像力を豊かにして神様と共に未来を思う一年でありますよう心よりお願いします。

富士道十二世神道扶桑教六世管長宍野史生

 

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